自創作を語る②【チョコミントはおあずけ】について
◯第2回は【チョコミントはおあずけ】について
こんにちは!瀬名那奈世です。
『自創作を語る』第2回は、文庫本『月の沙漠』に収録されているBL小説【チョコミントはおあずけ】について語っていきたいと思います!
中編ブロマンス小説『月の沙漠』について語った第1回はこちら ↓
tsukimosakanamo.hatenablog.com
(瀬名は5/19(日)に東京流通センターで開催される『文学フリマ東京38』に【く-10】で出展します!あと一週間!)
文学フリマ東京38の概要
→文学フリマ東京38 – 2024/5/19(日) | 文学フリマ (bunfree.net)
瀬名のウェブカタログ
→瀬名那奈世 [文学フリマ東京38・小説|BL] - 文学フリマWebカタログ+エントリー (bunfree.net)
〇作者初のBL小説
今回語っていく【チョコミントはおあずけ】は、文庫本『月の沙漠』に収録されています。4万文字弱のBL小説です。
【文学フリマ東京38】ウェブカタログから商品紹介
→「月の沙漠」瀬名那奈世@文学フリマ東京38 - 文学フリマWebカタログ+エントリー (bunfree.net)
通販(この他、PDF版もあります)
あらすじはこんな感じ。
【あらすじ】
鈴鹿圭人と日向あおいはひょんなきっかけからルームシェアをすることに。それなりに楽しい日々を送っているが、東京から地元に戻ってきたあおいには何やら事情があるようで……。
実はこの小説、作者初のBL小説です!2022年に執筆しました。
文庫本のあとがきでも触れていますが、確か何かしらの賞に応募したかったんですよ。で、それがなぜか(本当になぜ?)BLの賞だったので、じゃあBLっぽい話にしよう!みたいなノリで決定したのがこの【チョコミントはおあずけ】というタイトルです。
BL…っぽいのか……????笑
私、実はBLは圧倒的に漫画派なんです。元々少女漫画から創作に入っているので、恋愛ものは漫画のイメージが強くて。
【チョコミントはおあずけ】も、最初に浮かんできたのは漫画の表紙っぽいイメージでした。
今までブロマンス小説ばかり読み漁って書いてきた人間が、初めて本気でBLを意識して筆を執る…ここで起こる問題が、そう。あれです。
BLってなに??????
〇BLとはなんぞや~
なんぞや~なんぞや~~なんぞや~……(遠い目)
これはもう、考え出すと迷宮入りしちゃうので、瀬名的解釈を話します!(切り替えが早い)
①男性同士の性描写があること
②色々な面でキャッチーでテンポがいいこと
③『恋愛』を主軸においていること
以上3つの内2~3個を満たしていると、瀬名的には「おおー、王道BLや!」となります。
この『王道』ってところがミソでして。ここでいう『王道』は、『商業でよく見る』みたいなニュアンスです。
魅力がわかりやくて、エンタメ感を強く意識している、男同士の恋愛を扱った作品=商業BL、みたいなイメージ。
なので、当然ここに当てはまらないBL作品もたくさんあります!(むしろ瀬名的には、当てはまり過ぎない作品の方が好きだったりする……)
ただ、私が『BL』というジャンルをわざわざ選んで書く場合には、この①~③を結構意識しています。
〇【チョコミントはおあずけ】は『恋』の定義に向き合う話
まずは
①男性同士の性描写があること
に関連付けつつ、【チョコミントはおあずけ】について語っていきたいと思います。
正直、「出た……性描写……(色々言いたいことがある顔)」という気持ち……。
これは瀬名的に、『棲み分けも兼ねて』というカテゴライズでもあります。
自作については、作者的には多少「違うんだけどなあ」と思うことがあっても、男性同士がキス以上の関係にあったら基本的にBLとします(つまり、ハグや添い寝はセーフということです!←急)。
男性同士の性描写、急に出てくるとびっくりする人も、きっと世の中にはいますからね。
余談ですが、うちの父は『ささやくように恋を唄う』を百合アニメだと知らずに観はじめて、「ここもっ?」「こっちもっ⁈」と超困惑してました笑
男女ものだとありがちな『カップルだらけ』問題も、同性同士になると違和感を覚えるみたいです(「面白そうだから続けて観る~」だそう)
瀬名は、性描写が露骨すぎる作品はあまり好きではありません。正確に言えば、『とってつけたように入る性描写』が苦手です。
私が商業BLに手を出す気になれない一番の理由ですね……。
大前提として、男性同士の性描写はBL作品の魅力だと思っています。というか、同性愛だろうが異性愛だろうが、『恋愛』を書く・読む上で、登場人物たちの自然な感情として避けては通れない部分ですよね(性的な行為に悩むにしろ喜ぶにしろ)。
そういう大切な要素だからこそ、大事に扱ってほしいし、大事に扱いたいんです。その辺、瀬名は他の人よりちょっと潔癖かもしれません(性描写に真摯に・丁寧に向き合っている作品は、むしろ大好きです!!!!)。
【チョコミントはおあずけ】の主人公・鈴鹿圭人は、人と触れ合いたいという気持ちがあるにも関わらず『恋がわからない』男です。
心と体を切り離す必要があるほど性欲が強いわけでもないけれど、人肌恋しい時はある、くらい?
根が真面目なのでテキトーにやり過ごすこともできず、他人との交流を避けて日々を過ごしています(今思えば、作者の潔癖な感じがキャラ造形にかなり反映されてますね。圭人くんドンマイ)。
そんな彼の元にルームシェア相手としてやってきたのが、小学生の頃夏休みによく一緒に遊んでいた 日向あおい です。
あおいと再会し日々を過ごす中で、圭人は長年蓋をしてきた『恋ってなんだろう?』という疑問に再び向き合うようになります。
〇漫画でいえば、読み切りくらいのテンポ感
【チョコミントはおあずけ】は、一応
②色々な面でキャッチーでテンポがいいこと
を意識して書きました。なので作者的にはラブコメだと思っております!
ラブコメ的に一番お気に入りのシーンはここですかね。
《以下、本文より抜粋 ↓ 》
「……泣いてる?」
尋ねられて、動揺した。部屋の電気は消えているから涙は見えないはずだ。顔を見られたくなくて、反射的に細い肩を抱き寄せていた。
「うわ、どうしたの?」
顔を覗き込もうとしてくるあおいの体を無理矢理抱き込む。顔は見られたくない。でも、そばにいてほしかった。
「ご飯冷めちゃうよ」
消え入りそうな声で抗議するあおいの体が熱い。熱が出ているから自分の体も熱いだろう。
《 ↑ 抜粋終わり》
そう、皆大好き看病シーン!!!!あります!!!!!【チョコミントはおあずけ】にもあります!!!!!!!(コメディ?という疑問はさておき……)
ってか『月の沙漠』にも新刊『ライン上のキッカ』にも、よくよく考えたら登場人物が熱を出すシーンがありました。体調不良シチュが好きなんです。熱なんてなんぼ出してもらってもいいんです。
また、最初は中編BL小説と謳っていた【チョコミントはおあずけ】ですが、4万文字いかないくらいなので短編かな?と最近認識を改めつつある瀬名です。
構成も『出会い→交流→悩み→解決』というシンプルな感じなので、テンポ感はそれなりにいいんじゃないかな。
キャッチーさについては、意識しつつも私の力量が足りなさ過ぎて、我ながらなんとも言えない感じですね。
タイトルがちょっとポップ、くらいでは……?笑
うーん、これから頑張りたい。
〇自分の気持ちを定義する
③『恋愛』を主軸においていること
については、もう言うまでもありませんね。【チョコミントはおあずけ】は『恋ってなんだろう?』という疑問に答えを出す話なので。
ちなみに、あおいはこの疑問に対して明確な答えを持っているようです。ここはぜひ作品を読んで感じ取ってほしい!
圭人がどう結論を出すのか……温かく見守りながら読んでもらえると嬉しいです♪
〇5/12(日)現在、カクヨムで最後まで読めます!
と、ここまで語ってきたわけですが。
そうなんです!!
実は今、カクヨムで【チョコミントはおあずけ】が最後まで読めるんです!!
カクヨムの作品ページ ↓
どうしても、どーしても憧れの電撃小説大賞に何か出したくて、カテゴリーエラーを承知で応募しました(文字数的に、カクヨムからじゃないと応募できなかった……)。
文庫バージョンを更に推敲したものになるので、細かいところの完成度的にはこっちの方が高いです(話の本筋は変わりません)。
ただ、基本カクヨムでは初稿を連載していて、賞に出すor同人誌にした時点で非公開にしています。その方針も少し迷っている所ではあるんですが、いずれにせよウェブの方はこちらの都合で突然非公開にすることも多々ありますので、ご承知おきください。
また、文庫版【チョコミントはおあずけ】は、中編ブロマンス小説『月の沙漠』との同時収録になります。
一冊で2作品読めるってことです!いいね!お得だね!
『月の沙漠』の自創作語りはこちら ↓
tsukimosakanamo.hatenablog.com
『月の沙漠』同様、中身の体裁については悔いが残るところですが……( ↑ の『自創作を語る①【月の沙漠】について』参照)
それでも大丈夫よー!『月の沙漠』も一緒に読みたいよー!って方は、この機会にお手に取っていただけると嬉しいです!